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事例研究の紹介「作業療法臨床実習におけるリフレクション・シート使用は有用な可能性がある」

日本国内の作業療法教育の領域で、臨床実習のテキストで事例の紹介はあっても、事例研究が少ない(ほとんどない)と感じていました。


いろいろなハードルがあったのですが、
このたび、日本作業療法教育研究 第17巻 第2号 2018年に、臨床実習に関する論文が掲載されました!


タイトルは、「診療参加型の作業療法臨床実習におけるリフレクション・シート使用の試み」です。


本事例研究を通して、
「作業療法臨床実習におけるリフレクション・シート使用は有用な可能性がある」という仮説立案に至ったことを、事例研究を通して述べています。






臨床教育をやっていて、いつも感じるのは手がかりの少なさです。
今回は、臨床実習教育の一例ではありますが、少しでも参考になることがあれば幸いです。

また、現在、この研究のトライアンギュレーション研究(共同研究)が取り組まれていて、2018年の日本作業療法教育学会で報告されました。

続いて臨床有用性の検討や、実証研究など、研究を続けていきたいと思います。



***
本論文の全文は、(会員ではなくとも)日本作業療法研究会のホームページから無料で閲覧できます。
http://www.joted.com/




臨床実習に関するnoteもご用意しています。こちらは、図的(視覚的)に理解がしやすいようにスライドで解説しています。
論文を読むのはちょっと苦手・骨が折れるという方には、オススメです。
また、特典としてリフレクションシート用紙やリーズニング教授方法の資料も付いています。
https://note.mu/sho_ot/n/n9147701a370c




***
臨床実習を通して、臨床教育者(作業療法士)も学習者(学生)もともに学び、対象者へのよりよい貢献ができるような一助になれたら、ほんとうに嬉しいです。


わたしも少しでも貢献できるように、研究を続けていきたいと思います。


どうぞよろしくお願いいたします。


丸山祥 拝

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